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マスカスタマイゼーションの事例まとめ ~製造業の企業例をご紹介~

  • 共動創発事業本部
  • 2024年4月26日
  • 読了時間: 10分

更新日:11月20日


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マスカスタマイゼーションの事例をまとめました。


マスカスタマイゼーションは「大量生産」と「個別受注生産」のメリットを融合させたビジネスモデルとして注目されています。


本記事では、製造業における代表的な事例を紹介し、マスカスタマイゼーションがいかに企業の生産性向上や顧客満足度の向上、市場競争力の強化に貢献しているかを解説します。

 


目次


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マスカスタマイゼーション(mass customization)とは?


マスカスタマイゼーション(mass customization)とは、「大量生産(マスプロダクション)」と「顧客個別要求対応(カスタマイゼーション)」を掛け合わせた言葉で、大量生産に近いビジネス効率で顧客個別のニーズに対応しカスタマイズされた製品・サービスを提供するビジネスモデルのことを意味します。


マスカスタマイゼーションを実現することで、顧客への提供価値を向上し顧客満足度が高まります。


さらに、生産コストの削減による収益拡大や、高効率化により市場普及力が高まりシェアが拡大するなどのメリットが見込まれます。


マスカスタマイゼーションは、今後ますます厳しくなっていくビジネス環境の中で、より広い経済圏や市場での需要を取り込み、そこでの競争優位性を獲得するためにも製造業にとって避けて通ることができない重要なテーマです。



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 4つの課題

  1. 部品やユニットの標準化・モジュール化が進まない

  2. 複雑な設計プロセスやルールがベテランの暗黙知となっている

  3. 特注を増やさない提案型営業力の強化が必要

  4. 改革のための大規模投資やリソースが割けない




マスカスタマイゼーションの導入背景


マスカスタマイゼーションの導入背景として、まずインダストリー4.0(第4次産業革命)の進展が挙げられます。


モノづくりのスマート化や自律化が進む中で、マスカスタマイゼーションが理想像として捉えられており、IT技術の導入により工場の自動化を目指す動きが加速しています。


また、グローバル化とニーズの多様化により、「大量少品種生産」から「大量多品種生産」へのシフトが求められるようになりました。

 

製品ライフサイクルの短縮化や在庫リスクへの対応が必要となる一方で、多品種生産でありながら大量生産並みの「コスト削減」と「効率化」が必要になっています。


さらに、IT技術の進化により、顧客ニーズの迅速な把握と対応が可能になり、設計や製造の自動化や円滑な出荷・販売体制の構築が進んでいます。


こうした環境の変化により、マスカスタマイゼーションの実現に向けた基盤が整いつつあります。

 



マスカスタマイゼーションの設計・生産改革の事例


ここで、マスカスタマイゼーションの製造業の業種別事例を紹介します。

まず、設計、生産改革によるマスカスタマイゼーションの実現事例を提示します。

 


産業機械


三菱重工工作機械


三菱重工工作機械は大型工作機械や歯車加工機の製造において、従来は顧客の個別ニーズに対応するために個別受注・設計・生産方式を採用していました。


しかし、この方式では効率化に限界があるため、中量産品の効率的な設計や生産方法を取り入れるべくマスカスタマイゼーションに取り組んでいます。

 


マスカスタマイゼーションの普及を促進する技術として「ジェネレーティブデザイン」を活用することで、顧客の求める条件を満たす最適な形状を自動作成し、設計のリードタイムを短縮しています。


また、「アディティブマニュファクチャリング(3Dプリンティング)」を導入することで、形状が1つ1つ異なる部品でも低コストかつ短納期で生産できる取り組みが進んでいます。

 



 電機・電子


三菱電機


三菱電機は多品種少量生産への対応と柔軟な受注対応を目指し、ロボットとデジタル技術を組み合わせたマスカスタマイゼーション自動化ラインの構築に取り組んでいます。


iREX2022での展示では、来場者がワイヤレスマウスの仕様をタッチパネルで選択すると、人とロボットが協働してキッティングを行い、その後の組み立て工程を5台の産業用ロボットが自動で行うデモンストレーションを行いました。


ロボットは移動式台車に搭載され、柔軟に工程の入れ替えができる設計となっています。

 


また、製造ラインのデータを一元管理するSCADAソフトウェア「GENESIS64」、3Dシミュレーションツール「Gemini」、AI支援のデータ分析ソフトウェア「MaiLab」を活用し、受注データの分析、工程のシミュレーションと最適化を行っています。三菱電機はこのデモラインを通じて、ロボットと自動化技術の訴求に加えて、受注への柔軟な対応を実現するデジタル技術の必要性を述べています。

 



 自動車・輸送用機器


トヨタ


トヨタは多様化する消費者ニーズに対応し、従来の画一的な生産体制から脱却するため、オープンロードプロジェクトによる新たな都市型乗り物「i-ROAD」の共同開発に取り組んでいます。


i-ROADは自動車とバイクの中間に位置する新しいコンセプトの乗り物で、電気自動車としてCO2排出ゼロ、コンパクトな車体、ハンドル操作による独特の運転感覚などの特徴を持っています。

 


トヨタは東京都内から100名の試乗パイロットを募集し、1年間にわたって意見や技術を収集し、最終的な製品開発に活かしています。


さらに、i-ROADのボディパーツを3Dプリンターでカスタマイズできるようにすることで、ユーザーの要望に合わせた製品提供を可能にしています。


トヨタの生産方式は、ジャスト・イン・タイムの思想に基づき、効率的なマスプロダクションを実現してきました。


i-ROADの3Dプリントカスタマイズは、将来のトヨタ車製造に適用される可能性を示唆する取り組みといえます。

 


BMW


ドイツのBMW社は、コンパクトカーブランド「MINI」で、内外装パーツを顧客が自由にカスタマイズできるサービス「MINI Yours Customized」を2018年に開始しました。


Webベースの「カスタマイザー」で、顧客はインテリアトリムやLEDドアトリムなどのドレスアップアイテムのカラーやパターンを独自にデザインでき、文字やサインも入れられます。

 


カスタマイザーでデザインしたデータは、ドイツの施設で正確に製造されます。


BMWグループやHP社などの協力で用意された「3Dプリンター」や「レーザー加工機」により、純正パーツと同等の機能と安全性を保ちつつ、高いデザイン自由度を実現しています。


この仕組みによって、発注から納品までわずか数週間でユーザーの手元に届きます。

 


マスカスタマイゼーションの設計・生産改革の事例


次にマスカスタマイゼーションの営業改革からのアプローチをご紹介します。


マスカスタマイゼーションの成功には、設計・製造部門の改革だけでは不十分です。

3Dデータを活用した効率的な設計や、フレキシブルな生産ラインの構築といった施策を実施しても、営業部門が顧客の個別要求をそのまま受け入れ、無秩序にカスタマイズを増やし続ければ、後工程の業務負荷は軽減されません。


真の成果を得るには、営業が顧客要求を正しく把握し、標準化可能な部分と真に個別対応が必要な部分を見極める仕組みが求められます。



 産業機械


中北製作所


中北製作所は、船舶や発電所、製鉄、化学など多岐にわたる産業分野で活躍するバルブのプロフェッショナルメーカーです。

その高い専門性から、見積もりには顧客との技術要素のすり合わせが必要であり、生産方式は顧客の仕様に合わせて一つひとつを製造する多品種少量生産でした。


顧客の個別要求に対応することが強みである一方で、設計部門の受注支援業務の負荷が大きく、また顧客の急な注文にも柔軟に対応できないなどの問題もあり、受注拡大に向けた生産性向上は大きな課題でもありました。

 

「マスカスタマイゼーション改革」に取り組み、「中北ブランド」の信頼性を維持しながら、国内既存顧客に依存しない新たな市場や新規顧客の要求に応えるための業務改革を目指しました。


営業と設計が共同で行っていた見積もり作成の流れを見直し、CPQを活用することで営業は顧客が求める仕様を直接システム入力し、営業部門で自己完結して見積もりを提示するという新たなプロセスを構築しました。


これにより、見積もり回答の迅速化が顧客の信頼性と満足度向上につながると同時に、設計部門の受注支援業務の半減も実現しました。


多品種少量生産の製造業がCPQによるマスカスタマイゼーションを実現した事例です。


【事例の詳細はこちら】

 



横河電機


B2Bの製造業は、顧客ニーズへの対応力が求められるため、顧客ニーズを聞く前から事前に製品の「標準」を整備することが困難であり、それがビジネス効率を悪くしています。


日本国内最大手の計測・制御機器メーカーである横河電機は、国内市場からグローバル市場に大きくビジネスがシフトしていく中で、そのグローバル市場の要求に柔軟かつ、効率良く対応できるビジネスモデルに変革するため、従来まで顧客ニーズ、仕様にあわせて特注でしか対応できていなかったものを、「標準」の組合せで対応可能にしました。


そしてその販売を支援する仕組みである「セールスコンフィグレーター」を構築しています。

 

「標準」的な製品ラインナップの見直しという設計モデル改革から、「セールスコンフィグレーター」整備による販売モデル改革、その後のバックエンド側の業務プロセスの効率化とつなげていくという、B2B製造業における「マスカスタマイゼーション改革」の教科書的な成功事例となります。

 

【事例の詳細はこちら】




 工作機械


シチズンマシナリー


シチズンマシナリーは、「個の量産」という企業コンセプトを掲げ、「個性化」と「量産的効率」を両立する「革新的なモノづくり」を追求、提案することを目指してきました。

「個の量産」は、まさに「マスカスタマイゼーション」であるといえます。


同社が扱う製品は数十種類ある機種ごとに100種類以上のオプションが存在し、組み合わせは非常に複雑です。

また、顧客固有の要件はカスタマイズで対応する場合も少なくありません。


こうした製品特製から、見積もり回答に時間が掛かかるだけでなく、営業による仕様選定ミスも発生していました。また、安易なカスタマイズ対応で設計負荷も増大する一方でした。

 


このような課題を解決するために、「業務改革プロジェクト」を立上げ、CPQを導入しました。

CPQを活用することで、仕様確定・見積回答期間が半減、また提案品質も向上し、顧客対応力が強化されました。また、カスタマイズ要求は過去の類似設計を流用することで、設計負荷の削減にも成功しました。


個別要求の仕様を顧客との商談の中でコントロールし、後工程の設計や製造負荷を削減しプロセス品質を向上させたマスカスタマイゼーションの事例になります。


【事例の詳細はこちら】




まとめ


マスカスタマイゼーションは、「顧客満足度の向上」と「生産効率化」を同時に実現する有効な手段であり、製造業の競争力強化と新たな価値創造につながります。


今後、デジタル技術の進歩とともに、マスカスタマイゼーションはさらに発展していくことが期待されます。


製造業はこの潮流を捉え、自社の強みを活かしたマスカスタマイゼーションの取り組みを推進していくことが重要です。


 

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