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オンライン製品選定・見積システムを立ち上げ属人化を克服

製品選定・見積を、個人の「経験」から組織の「資産」

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複雑な照明製品の選定・見積もりプロセスに悩むDNライティング株式会社は「営業・設計両面の課題を解決するためにFleacia CPQをベースに、独自のCPQ(Configure, Price, Quote)システム「オンライン製品選定・見積システムDNライトナビ」を構築しました。本事例では、導入の背景から具体的な取り組み、そして現場にもたらした効果について、DNライティング株式会社営業本部 営業企画部 部長 高橋伸哉 氏にお話しを伺いました。

■DNライティング株式会社

本社
〒259-1146
神奈川県伊勢原市鈴川54-2

 

設立
1977年6月17日

 

資本金
5.27億円

従業員数

218名(連結:417名)※2025年9月30日現在

 

主な事業内容
LEDモジュール、各種照明器具及びその付属品の製造・販売、蛍光ランプ製造・販売
照明その他電気工事の請負および設計監理

お客様に聞く

DNライティング 営業本部 営業企画部 部長 高橋 伸哉 氏

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導入背景:属人化が生む“見積もりとスペック精度”の壁

chapter1

DNライティング株式会社(以下、DNライティング)では、内装・外装設計者から「その場で価格感やスペックを知りたい」という要望が非常に強く寄せられていました。照明の検討は設計の後半に回されることが多く、見積もりやスペック確定が遅れると、顧客からの要望に即応できないという課題が顕在化していたのです。また、照明製品や付帯パーツの種類が多く、知識を要するプロファイルシステムの提案や配灯設計は、営業担当者の経験やノウハウに大きく依存していました。
このような背景から、営業が属人的に行っていた見積もり・製品指定業務を標準化・高速化し、営業・設計双方の生産性を高める必要がありました。

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DNLプロファイルシステム:DNライティング様が展開する、アルミ製の本体(プロファイル)に、LEDモジュール(光源)と樹脂製カバーを組み合わせたライン照明システムです。

照明は、設計プロセスの中でどうしても後半に回されがち

chapter2

照明は、設計プロセスの中でどうしても後半に回されがちな分野で、DNライティングでも長年、その構造的な課題と向き合ってきた。
『早く見積もりを持ってきてほしい』『早くスペックを決めてほしい』という話が一気に来る。
内装外装のデザイナーや設計者、照明デザイナーなどの顧客からの要望は切実だが、その裏で営業や設計の現場は常に時間に追われていた。「分かっている人じゃないと提案できない」製品だったという。
なかでも、DNライティングの主力製品のひとつであるプロファイルシステムは、顧客の設計意図を細部まで細かく作り込める一方で、その自由度の高さゆえに提案の難易度が極めて高い製品だ。
「一品二品だったらまだいいんです。でも今のプロファイルシステムは、大規模に採用されることが多い。そうなると抜け漏れは許されないし、製品のことをよく知っていないと、お客様に提案できないんです」
電源の選定、配灯の割り付け、器具の長さの組み合わせ。どれも正解が一つではなく、現場や顧客の好みによって無数のパターンが生まれる。
「とにかく検討に時間がかかる。営業が考えていることを、補足したり補佐してくれる仕組みが必要だなと感じていました」

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DNLプロファイルシステムの算出ルール

※画像をクリックすると大きなウィンドウで拡大表示されます

属人化への強い危機感と、明確な数値目標

chapter3

特に影響を受けていたのは、新人営業だった。
「商品に慣れていない営業が、配灯を割り付けたりプロファイル提案をしなければならない。これは正直、相当難易度が高いと思います」
一方で、ベテラン営業であっても例外ではない。
「商品数が多いので、ベテランでも『この商品は正直あまり知らないな』『ここは苦手だな』という部分が必ずあります。そういう時に、これで一回確認しておこう、抜けがないか見ておこう、という使い方することも想定していました」
そこでDNライティングでは、提案の検討時間を半分、できれば3分の1に短縮する
という具体的な目標を掲げた。
「人に依存している部分を、どうにかしたかった。効果としても、時間がどれくらい短縮できるのかをちゃんと算定して、それを社内に説明しよう、という話をしました」明確な数値目標を決めた上で、いよいよシステム化の検討に入る。

一度は考えた「オリジナルで作る」という選択

chapter4

最初に検討したのは、オリジナルでのシステム開発だった。
「プロファイルシステムの明細を自動化したい、設計寸法に対してテープライトの長さを自動算定したい、というきっかけが最初にありました。お客様の設計に対して選べる内容の自由度が、あまりにも高すぎた。これはオリジナルで一から作らないといけない。という感覚があったんです」
しかし、すぐに壁に突き当たる。
アルゴリズムや考え方、進め方を積み上げていくと、それは想像以上に難解なプログラムになることが見えてきた。
さらに当時、プロファイルシステムはまだ1機種のみであり、今後、確実に機種が拡大していくことが想定されていた。
「一番最初にこれを作ってしまうリスクと、あとから機能を追加しながらプログラムを作った時の連携や連動を考えると、費用がいくらかかるのか全く見えなかった」
この段階で、オリジナル開発は断念する判断に至る。次に検討したのは、CPQツールの導入である。

Fleacia CPQとの出会い、そしてルール定義の“内製化への挑戦”

chapter5

CPQツールを検討する中で、選択肢はそれほど多くなかった。
「3社ほど検討しましたが、少量多品種で、細かいところまで考える必要があり、他社での実績も照らし合わせると、これは今のFleaciaなら実現できるんじゃないか、と判断をしました」
Fleaciaは、「ユーザーが設計のルールを自由に作れる」CPQでもある。そこでDNライティングでは、商品企画部2名を担当者に任命し、ルール定義の内製化に挑戦する。

「自分と、商品企画部のメンバーと2人で、自分たちの手で作ろうとしました。3か月の操作研修も受けたんです」

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しかし、研修後に現実を突きつけられる。 「研修を受け終わった段階で、『これはとてもじゃないけど作れないな』と分かりました。これは僕ら2人じゃ無理だな、と」 設計における選択の自由度が、あまりにも高すぎるが故に、提案できるバリエーションをロジカルにアルゴリズムに沿って組み立てるのは非常に難しかった。

フューチャーアーティザンと「一緒に作る」という決断

chapter6

結果、CPQシステム「Fleacia」の開発元であるフューチャーアーティザンに協力を仰ぐという決断をした。
「設計ルールの整備をお願いするとなると、当然投資がかかりますし、その投資を社内にどう承認してもらうかが必要になります」
どのくらいの費用がかかるのか。それを算出すること自体が、初めての試みだった。
「当社も初めてだし、フューチャーアーティザンさんも照明器具に詳しいわけではない。お互いが初めての経験で、手探りでコストを算出していきました」
結果、コスト算出したこと、目標値を設定したことで、投資対効果が明確になり、承認を得ることができた。
こうして、いよいよ、DNライトナビの構築に着手する。

自由度をどこまで削るか――標準化への試行錯誤

chapter7

まず対象となったのは、難易度の高いプロファイルシステムだった。当初は、「ほぼ全部のアイテムをシステム化できるだろう」「少なくとも3分の2はできるだろう」という想定もあった。
だが、実際には半分程度にとどまった。最大の原因は、「自由度をどこまで削るか」だった。

「今のプロファイルシステムは、あまりにも自由度が高くて、壮大で、その自由度を、どの程度まで制限しながら作るか。そこに一番、七転八倒しました」

特に別置電源や配灯の考え方は難所だった。小規模な設計では自由度を残しつつ、大規模な設計では電源を一本に絞る。配灯についても、「10mを1m×10本にするか、1.5m×6本にするか」といった無数の選択肢がある。

「今回は、できるだけ数量を最小にするというロジックで配灯計算をしています。営業やお客様の自由度は、正直かなり狭めています」

この割り切りは、結果として現場に受け入れられた。

「よく知っている営業ほど、『このロジックで作っているなら、この案件ではここを変えればいいな』というのが分かるようになりました」

一方で、経験の浅い営業にとっては、
「このシステムを使えば、まずは“模範解”に近いものが出せる。お客さんに提案できるレベルには持っていけます」

現在、DNライトナビの利用率は約8割。新人からベテランまで、「苦手な商品」「不安な案件」で日常的に活用されている。

見積作成時間を半分に削減。案件によっては3分の1に短縮

chapter8

DNライトナビの導入効果について、高橋氏は次のように語りました。
「感覚的に楽になった、ではなくて、確実に効果として見えるものがないと、社内では通らないな、と思っていました。
そのため最初から、どれくらい時間が短くなるのか、それをちゃんと出そう、という話をしていました。
対象にしたのは、プロファイルシステムを使ったスペック検討と見積作業です。

「プロファイルシステムは、大規模に入るケースが多いです。そうなると、検討にかかる時間が、全然違う」

従来は、配灯をどう割るか電源をどう選ぶか抜けている条件はないかそういうことを、営業が頭の中でずっと考えていた。
「DNライトナビを使うと、営業が頭の中で考えていたことを、横で一緒に考えてくれる、みたいな感じなんです。補足というか、補佐というか。“それ、考え忘れてない?”って言ってくれる存在ですね。見積作成時間は、だいたい半分くらいにはなっています。案件によっては、3分の1くらいまで短くなっているものもあります。これは、感覚じゃなくて、ちゃんと算定して出した数字です。新人は、助かっていると思います。
商品に慣れていない状態で、いきなり配灯を配灯したり、プロファイルの提案をしなきゃいけない、というのは、かなり難易度の高い作業になります。見積作成に時間がかかり、お客様への提出が遅れると機会損失にもなりかねません。」

営業利用率8割を達成

chapter9

「営業利用率は、9割10割というほどではないですけど、8割くらいは使ってくれていると思います」「毎回必ず、というよりは、必要なときにちゃんと使われている、という感じですね。
模範解、というと言い過ぎかもしれないですけど、少なくとも、“これを出していいのか”という不安な状態からは抜けられます。」
DNライトナビは、ベテランにとっても頼りがいのある存在となっている。

「商品数が多いので、ベテランでも“この商品は正直よく知らないな”“ここはちょっと苦手だな”という部分は必ずあります。そういうときに、一回DNライトナビで確認しておこう、抜けがないか見ておこう、という使い方をしている感じですね」 商品をすべて理解していなくても、新人でもベテランでも、まず“これで提案できる”という形までは持っていけると語ります。

見積ツールで終わらせない、次のステップ

chapter10

DNライティングはさらに先の活用を見据える。
「今はCPQとして見積が出せますが、今後は製品選定の入り口としてより活用してもらいたい。製品選択のナビゲーションの強化や見積から受発注までの社内連携など、やりたいことはまだたくさんあります。照明業界で、商品が選べて、見積まで完結しているソフトウェアは、まだほとんどないと思います」
だからこそ、DNライトナビには、DNライティングというメーカーを知ってもらう入口としての役割も期待している。

「何をシステムに任せ、何を人が担うか」の最適解と、その先へ

chapter11

DNライトナビは、最初から完璧な設計図のもとに作られたシステムではありません。 無限にある照明設計の自由度を前に、「何をシステムに任せ、何を人が担うか」――その境界線を引く作業は、まさに葛藤の連続でした。
しかし、開発パートナーであるフューチャーアーティザンと共に、「あえて自由度を絞る」という決断を下したからこそ、複雑なプロファイルシステムを実務レベルで標準化することに成功しました。 現場と向き合い、共に汗をかいて作り上げたこの「模範解」は、今や営業の頼れるパートナーとして定着し、メーカーと顧客をつなぐ次なるフェーズへと進化を続けています。

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