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製造業の営業属人化脱却に成功した営業DXの成功事例3選

  • 4 日前
  • 読了時間: 9分

製造業の営業現場では今なお、ベテラン担当者しか見積が出せない」「特定の担当者が不在だと案件が進まない」といった属人化の問題が深刻です。


営業DXの必要性は感じていても、自社の属人化が何に起因しているのか、どこから改善すべきなのか、そしてどのツールを選べば解決できるのかが分からず、導入に踏み切れない企業も少なくありません。


本記事では、製造業で起こりやすい営業属人化の代表例を3つのタイプに分類、属人化タイプ別に最適な営業DXツール(CPQ/SFA/CRM)を解説します。さらに、実際に属人化脱却に成功した製造業3社の事例から、具体的な成果と自社で実践できる営業DX成功のポイントを紹介します。


目次



製造業で起こる3つの代表的な営業属人化と最適な営業DXツール


一言で「営業が属人化している」と言っても、その要因は企業ごとにさまざまです。ここでは、製造業で見られる代表的な3つの属人化の例と、それらの課題解決に適した営業DXツールを紹介します。




見積・価格判断が特定の担当者に依存している属人化


製造業では、製品仕様の選定や積算・原価計算、販売価格の算出、値引き可否の判断といった業務が、特定の担当者の経験や勘に依存しがちです。


その結果、確認・判断がその担当者待ちになり、見積の作成や提出が遅れることがあります。また、同じ顧客・同じ製品条件でも担当者によって見積金額が変わる、価格の根拠を説明できないといった問題が発生します。


本来、製品仕様や価格積算といった判断は設計・技術部門が担う領域の課題でもあります。しかし実際には、見積提出の遅延や営業機会の損失といった形で営業活動に直接影響するため、営業DX領域で解決すべき重要テーマとなっています。


このタイプの属人化解消には、CPQ(Configure Price Quote)が有効です。CPQは、顧客要件に合わせた仕様選定と価格算定、見積書作成までを一貫して支援するツールです。これまで個人の経験や勘に頼っていた仕様制約や積算ロジック、価格・値引きルールをシステムに実装できます。


例えば、ベテラン担当者が持つ製品の組み合わせ可否の知識や、技術計算の計算式、採算を加味した見積積算など、システムのルールとして登録することで再現できます。誰が入力しても同じ判断・同じ見積結果を出せる状態を作れるため、判断・計算の属人化を大幅に軽減できます。

CPQについては以下の記事も参照ください。




案件の進捗管理が特定の担当者に依存している属人化


製造業では、案件の進捗管理が担当者任せになっているケースも多く見られます。例えば、商談の次アクションが担当者の頭の中にしかない、承認がどこまで進んでいるか分からないといった状態だと、上長や他部署が案件状況を把握できません。


こうした状況では、担当者が不在になった際の引き継ぎに時間がかかったり、案件の停滞や対応漏れが起きやすくなります。


このタイプの属人化解消には、SFA(営業支援システム)が有効です。SFAは、営業活動の記録から案件管理、進捗の可視化までを一貫して支援するツールです。


商談ステージの標準化や活動履歴の記録、承認フローの明確化により、案件の状況が組織全体で共有できる状態を作れます。担当者個人に依存せず、誰が見ても案件の進捗が分かるため、進捗管理の属人化を解消できます。



顧客との関係性・取引履歴が特定の担当者に依存している属人化


製造業では同じ担当者が同じ顧客を何年も担当し続けるケースがあります。その結果、決裁者・キーマン情報、過去の価格条件、交渉経緯やトラブル履歴などが担当者の記憶や個人的なメモにしか残っておらず、顧客情報の属人化が深刻になりがちです。


こうした状態では、担当変更のたびに顧客との関係構築を一から始めなければならず、過去の経緯を踏まえた対応ができなくなってしまいます。


このタイプの属人化解消には、CRM(顧客管理システム)が有効です。CRMは、顧客情報や取引履歴を一元管理するツールです。


顧客単位で取引履歴や接点情報を時系列に蓄積できるため、担当者が変わっても継続的に適切な対応が可能になります。顧客対応を個人技から組織力へ転換するための土台になります。



営業DXツール(CPQ/SFA/CRM)を使いこなすためのポイント


営業DXツールを導入しても、現場に定着せず形骸化してしまうケースは少なくありません。一方で、属人化脱却に成功している企業は、ツール導入時に押さえるべきポイントを理解し、運用設計を工夫しています。ここでは、製造業での営業DX成功に欠かせない3つのポイントを解説します。






1. 自社の課題に合ったツールを選び、役割を明確にする


営業DXでは、自社の属人化がどこで起きているかを見極め、それに適したツールを選定します。判断・計算の属人化にはCPQ、案件管理の属人化にはSFA、顧客情報の属人化にはCRMというように、課題とツールを対応させます。


各ツールには得意領域があり、無理に多機能化すると複雑になり定着しません。解決したい課題を明確にし、その課題に集中して使うことで成果につながります。


  • CPQ:見積業務の属人化解消、見積リードタイム短縮

  • SFA:営業行動管理、案件ステータス可視化による受注確率向上

  • CRM:顧客情報/履歴の資産化



2. 現場が入力のメリットを実感できる仕組みを作る


営業DXツールが現場に定着しない最大の理由は、営業担当者がDXツールへの情報入力を負担と感じてしまうことです。


成功している企業は、担当者がDXツールの目的や効果を理解して使いこなすことで、結果的に手間や工数の削減など、業務効率化を実感できる仕組みを作っています。例えば、システム連携により入力が一度で済む環境を整えたり、入力した内容から見積書や報告書が自動生成される仕組みを作ったりしています。


例えばそれぞれのDXツールの場合、以下のような設計が有効です。


  • CPQ:仕様を入力すると、即座に見積書が完成し見積リードタイムが大幅に短縮する

  • SFA:商談内容を入力すると、商談状況が可視化され関連部門への伝達もスムーズになる

  • CRM:顧客名を入力すると、過去の取引履歴や交渉経緯から顧客に正しいアプローチができる



3. 完璧を目指さず、運用しながら改善する


全ての製品や取引パターンに対応しようとすると、ルール整備に時間がかかり運用開始が遅れます。まずは主力製品や標準的な受注プロセスをシステム化し、例外的なケースは運用開始後に追加していく方が現実的です。


重要なのは、ベテラン担当者の知見やノウハウを可視化することです。例えば、感覚的に行っていた値引き判断を、粗利率30%以上なら10%まで値引き可のように数値化することで、システムに実装できるルールになります。


完璧な基準でなくても、まずは仮のルールとして設定し、運用しながら精度を上げていきましょう。


また、導入後の評価指標をどのように設定するかもポイントです。入力率のような行動指標ではなく、見積リードタイムの短縮や引き継ぎ時間の削減、技術問い合わせの減少といった成果指標で評価する方が、現場が営業DXの成果を実感しやすいでしょう。



製造業の営業属人化を解消した営業DX事例3選


ここでは、実際に営業属人化の解消に成功した製造業3社の事例を紹介します。



初期見積を営業だけで即日化(NGKフィルテック)


NGKフィルテックでは、顧客要望に応じたカスタマイズが必要な製品を扱っており、見積作成には技術的な知識が必要でした。


営業が受けた引き合いはすべて技術者が仕様検討と価格積算を行っていたため、小規模な案件でも数日、大型案件では数週間を要していました。案件数の増加により技術者の負荷が増大し、繁忙期には対応が間に合わず営業機会を逃すことが課題となっていました。


そこでCPQを導入し、属人化していた設計根拠や技術計算をシステム化しました。営業が必要項目を入力するだけで初期見積が完成する仕組みを構築し、従来2週間程度かかっていた見積回答時間を即日に短縮しました。


若手営業でも初期提案が可能になり、技術部門の負荷を軽減しながら、営業機会の最大化につなげています。








特注の天文学的な組合せを仕組み化(イシダ)




イシダでは、製品の多くが顧客ごとのカスタマイズを前提としています。ベースとなる機種に対し、オプションや周辺機器、設置環境、ライン構成などの要素が組み合わさるため、製品構成のパターンは天文学的な数になります


そのため、最適な機種を選定するノウハウは個々の営業担当者の経験に依存しており、一人前になるまでに膨大な知識が必要でした。さらに、営業が決めた仕様を設計が部品構成に展開する過程で、すり合わせや手戻りが頻発し、人的ミスも起きやすい状況でした。


この課題に対してCPQを導入し、製品構成ルールを体系化しました。営業と設計が使うシステムを連携させることで、営業が確定した構成をもとに設計側で部品表まで展開できるようになりました。


見積から仕様明細までを自動で出力できるようになり、転記作業が不要になったことで、作業時間は1時間以上短縮されました。属人化していた複雑な特注対応を組織全体で対応できる体制へと転換しています。







業務プロセス改革でCPQを導入、見積時間を半減(シチズンマシナリー)


シチズンマシナリーでは、業務プロセス改革プロジェクトの一環としてCPQを導入しました。


同社が扱う機種は30〜40種類ほどあり、それぞれに100種類以上のオプションが存在します。オプションの組み合わせは非常に複雑で排他条件も多いため、見積や仕様書作成に時間がかかり、担当者ごとの品質差やミスが課題になっていました。


CPQ導入により仕様選定と見積作成を標準化した結果、見積作成時間を半減させ、経験の浅い担当者でもベテランのノウハウを活用できる状態を作りました。


さらにCRMと連携することで、商談情報から見積・仕様書、生産、サービスまでの情報を一元管理できるようになりました。案件ごとの仕様情報が組織資産として蓄積されることで、属人化しがちな顧客対応をプロセス化しています。









個別受注型製造業向けの国産CPQ「Fleacia CPQ」



本記事で解説してきた通り、製造業の営業属人化の中でも、判断・計算・見積の属人化は、CPQによる仕組み化で大きく改善できます。個別受注型製造業に特化した国産CPQ「Fleacia CPQ」は、複雑な仕様制約や計算ロジックにも対応しやすく、日本の商習慣や業務プロセスに合わせた運用設計がしやすい点が特長です。


また、SFAやCRMと連携することで、見積だけに留まらず、案件推進や顧客履歴の資産化まで一気通貫で整える営業DX基盤として活用できます



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