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日本製造業の強み、個別受注生産の“すり合わせ”をさらに強くするには?

  • 共動創発事業本部
  • 2025年12月11日
  • 読了時間: 9分

更新日:2025年12月15日

個別受注型製造業において仕様を決める提案・見積プロセスは、営業や設計、製造部門がすり合わせて進める人依存の業務だ。その中で、DXで業務スピードを高速化し売上高がアップした事例もある。その5つの成功ポイントを解説する。


転載元:TechFactory

TechFactory 2024年12月12日掲載記事より転載。本記事は TechFactoryより許諾を得て掲載しています。



フロントエンドの改革が競争力の創出に直結

 見積もり領域のデジタル化の重要性について、フューチャーアーティザン フロントエンドイノベーションビジネスユニット ビジネスユニット長 事業統括の平石隆洋氏は以下のように述べる。


フューチャーアーティザン フロントエンドイノベーションビジネスユニット ビジネスユニット長 事業統括の平石隆洋氏
フューチャーアーティザン フロントエンドイノベーションビジネスユニット ビジネスユニット長 事業統括の平石隆洋氏

 「少品種大量生産のビジネスモデルではない日系製造業では、厳しい顧客要求に応える高い提案力が求められています。提案には技術的な確認も必要となり、製品によっては数カ月にわたってすり合わせを行うケースもあります。さらに、多種多様で高度化する要求に対応するために、人に依存した業務となりがちです。ある調査によれば、見積もり提出数に対する受注率は2~3割とされており、顧客の信頼を維持するために過大な業務負荷に直面しています。ベテランの引退や若手の育成といった人的リソースの確保が困難な中で、この取り残されたすり合わせ領域をデジタル化し、ベテラン個人のノウハウを組織の資産にして効率化していくことが、日本の製造業のDXであり競争優位性を高 める鍵だと考えています」

 

 この初動すり合わせ領域のデジタル化ソリューションとして、2022年からフューチャーアーティザンが展開しているのがFleacia CPQだ。CPQは、複雑な製品やサービスの見積もりから契約までの一連の業務を支援するITソリューションで、顧客の要求に応じて最適な機能やオプションを組み合わせて製品仕様を作成する機能(Confi gure)、提案された製品仕様に基づき価格を算出する機能(Price)、製品仕様や価格を含む見積もり書や仕様書などの文書作成や管理をする機能(Quote)を備えている。

 

 CPQの導入は、設計レスの提案・見積を実現し、見積もり業務の大幅な効率化や仕様変更といった手戻りの削減はもちろんのこと、誰でも平準化されたレベルの高い提案を行える様になることから、勝率アップ、海外など新市場での提案機会獲得による売上拡大のメリットが得られる。ただ、日本では、高度にカスタマイズが行われる製品への対応が難しく、あまり導入されてこなかった。Fleacia CPQの最大の特徴はこの課題を解決し、日系製造業が強みとするきめ細かいカスタマイズ対応をスムーズに行えるようにした上で、デジタル化による効率化やデータ活用を行えるようにした点にある。


ポイント(1):ベテラン技術者の思考プロセスをデジタルで再現

 1つ目のポイントが、ベテラン営業マンや技術者の思考プロセスをデジタルで再現した形で仕様選定が行えるという点だ。Fleacia CPQは、引き合いを受けた熟練者が行っている、複雑な組み合わせ排他の確認や技術計算などに基づいた判断の思考プロセスを形式知化し、それをそのままに実行できるシステムである。これまで対応してきた顧客へのカスタム対応範囲を変えずに、熟練者以外でも顧客の要求スペックを入力し、顧客に推奨する仕様を提案しながら、これまで設計に依頼しなければならなかった特注仕様であってもまるで標準であるかのように営業担当者がその場で提案、見積もり作成ができるようになる。熟練の営業マンや設計者が持つ暗黙知をしっかり生かせるような仕組みとなっている。


ポイント(2):現場でマスターの変更が柔軟に行える

 2つ目のポイントが、設計者が理解できる言葉で仕様の組み合わせルールや技術計算ルールをExcel形式で定義できる点だ。選定ルールの変更があった際に、IT部門に依頼を出さなくても、現場でマスターの変更が可能となっている。全てのカスタム対応範囲をはじめから形式知化し、標準化して選定ルールに落とし込むことは難しい。日常的に発生する仕様変更はもちろん、そうした標準化範囲を広げて効果を高め「ルールを育てる」作業を、製品技術担当者がExcelベースのルール定義で直接すぐに変更できる環境が用意されている。


ポイント(3):ルールの維持管理を行いやすい仕組み

 3つ目のポイントが、ルール維持の問題を解決する組み合わせの考え方を実装したことだ。CPQは、そのルールの維持管理が難しく、導入後にルールやデータのメンテナンスをやりきれず、徐々にシステム運用ができなくなるケースが後を絶たない。すり合わせ型製品は、製品の提案パターンが、コア技術、ユニット、周辺機器などの組み合わせで数億パターンにも及ぶことすらあるため、CPQの運用が基本的に難しい。

 

 Fleacia CPQには、ベテランの思考プロセスをそのままルール化することと同様に、そのルール定義を”ベース技術の選定ルール”や“ユニットや周辺機器などの選定ルール”として、最適な単位で定義し、それらを組み合わせた提案ルールを自動生成する唯一無二の仕組みがある。そのため、1つのユニットのルール変更をするために全ての製品ルールを書き換える必要がなく、最低限の範囲のルール定義ファイルの追加や入れ替えをするだけで、柔軟にルールを変更、拡張させることができる。この仕組みにより、ルールの二重管理によるメンテナンス工数増大やマスター情報の鮮度低下を防ぐことができる。


Fleacia CPQ 独自のルール管理の仕組み[クリックで拡大] 提供:フューチャーアーティザン
Fleacia CPQ 独自のルール管理の仕組み[クリックで拡大] 提供:フューチャーアーティザン

ポイント(4):部品表の一気通貫を軸とした設計・生産DXプロセス革新

 4つ目のポイントが、コンサルティングチームにより、モノづくりのプロセスを考慮した仕組み作りが行えるという点だ。これらの仕組みの構築には、フューチャーアーティザン内の「製造業ビジネス変革」のプロフェッショナルチームである「ビジネスデザインパートナー事業部」が大きな役割を果たしたという。

 

 ビジネスデザインパートナー事業部は、設計視点から製造業のビジネス変革を行うことを目的に、半導体製造装置や自動車部品といった設計・生産に実際に携わっていたメンバーで設立されたコンサルティングチームだ。Fleacia CPQの機能にも、その独自の導入手 法にも各メンバーの知見が生かされていることはもちろん、仕組みを用意するだけでは一 筋縄にはいかない製造業DXを強力に推進する役割を担っている。通り一遍のガイドではなく、顧客の製品構造や受注設計ルールに入り込み、業務やデータの流れを広範に押さえながら、あるべきビジネスの姿を描き改革を推進する。提案・見積もりのDXに終わるのではなく、設計・生産のDXまで有機的につなげる改革をグランドデザインしている。

 

 平石氏は「設計や見積もりのデジタル化には、まずモノのモジュール化からといわれるが失敗することが多い。時間がかかる割には新しい顧客要求に追われてすぐに陳腐化してしまう。顧客要求を詳細化し、製品構成に求める実現可能で整合の取れた仕様を確定する、カスタムプロセスをまず標準化しなければならない。御用聞きではなく自社標準に誘導することを志向し、ここを成熟させることで、プロダクトもあるべき標準化を図ることができ、部品表との一気通貫での連携といった設計・生産DXも実現ができる」と強調する。


ポイント(5):外部公開で直接的な顧客接点拡大に

 Fleacia CPQを導入するメリットは、社内の見積もり業務の効率化にとどまらない。Fleacia CPQはSaaS(Software as a Service)型ソリューションで、Webブラウザベースで顧客が仕様確認や見積作成を簡単に行える外部向けWebサイトを簡単に立ち上げることができる。これにより、営業を介さずに新規の潜在顧客リードを獲得することが可能となる。

 

 さらに多言語に対応し、海外拠点や代理店の強化にも寄与する。とくに海外拠点では、販路拡大やビジネス成長を目指す中、現地パートナーの人材確保や教育が難しいという課題を補完する。SaaSの利点を生かし、導入は初期投資を抑えながら月額10万円からスモールスタートで試せる。ライセンスにトレーニング加えたミニマムなパターンであれば「4カ月220万円から立ち上げも可能である」(平石氏)。

 

 さらに、MA(マーケティングオートメーション)などとの連携も期待される。FleaciaCPQは顧客の要求と提案した見積もりデータを蓄積するため、マーケティング部門はこれらのデータを活用して顧客の傾向を把握し、これまで可視化されなかったニーズを捉えることが可能となる。平石氏は「受注に至らなかった案件も含めて、どのような要求に対してどのような提案をしたかの履歴が残ることは、大きな意義だと考えています。こうした情報を蓄積することで、CRMやMAと連携して戦略的なアプローチが可能になりますし、次の製品開発へのインプットにもなります」と述べる。

 

 今後は蓄積された提案仕様データと受注実績データをひも付けることで、最適な提案仕様を推奨する「レコメンドAI機能」の搭載が予定されている。受注実績データが蓄積されるにつれ、機械学習によってレコメンドの精度が継続的に向上し、顧客の要求に対してより適切な製品仕様を提示できるようになる。


Fleacia サービスの全体像とCPQの位置付け[クリックで拡大] 提供:フューチャーアーティザン
Fleacia サービスの全体像とCPQの位置付け[クリックで拡大] 提供:フューチャーアーティザン


日本の製造業が持つ“すり合わせ”をさらに強く  

 平石氏は「設計&見積もりDXでは、デジタル化を前提に提案できる仕様をシンプルにすることからはじめるアプローチになりがちです。それでは、日本製造業の強みである、すり合わせによるカスタム対応力を失ってしまい本末転倒です。提案する製品を整理するのではなく、今、実際にベテランが行っている高度な見積もり業務を取りまとめることで、それぞれの企業が持つ強みを生かしたままデジタル化による効率化やデータ活用が進められます。強みをより強くするためのシステムとしてCPQを活用いただきたいと考えています」と述べている。

 

 日本製造業にとって、すり合わせによるカスタム対応力を維持しながら人依存を脱却した効率化を進めていくことは、グローバル市場での競争力を高めるためにも最重要のテーマとなっており、これまでデジタル化が困難で手付かずだったフロントエンドのDXが大 きなポイントとなる。これらを推進するためにどうするべきか迷った企業は、日本の製造業もの強みを生かしたデジタル化を進められるFleacia CPQの導入を検討してみてはいかがだろうか。




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提供:フューチャーアーティザン株式会社

アイティメディア営業企画/制作:TechFactory 編集部





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